2015年12月アーカイブ

「子どもの健康は、育てるものでありつくられるものである」とする考えが、近年の保育の中で定着してきた。

つまり、子どもが疾病を予防できたり、自然環境などの変化に適応できるような健康な力をもっていることは、もちろん必要であるが、それに加えて、各臓器・器官の生理的活動を活発に発揮して十分な遊びをすることができるようなたくましく生きていく力をつくっていくことが大切であるということである。

子どもを鍛練することは、心や体そして知的機能のすべてに多くの影響を与えるが、どちらかというと体の機能を育てることに、もっとも強いつながりをもっている。

したがって、鍛練といえば、体づくり、体力づくり、健康増進という身体機能や運動機能の発達助長がその中心的目標となる。

そこでこれまでスピリーナなどによって明らかになっている乳幼児の鍛練の身体生理的メカニズムについていくつかあげてみよう。

これによりこの時期における鍛練の必要性および意義が確認できる。

(1)鍛練は、特定の刺激に対する完全な反応をつくるほか、中枢神経機能の調整作用をよくし、神経回路を敏括にして、身体に好影響を与える。

(2)すでにある種の鍛練をしている子どもの鍛練は、まったく未体験の子どもに、初めて行われる場合よりはるかに容易で速く効果をあげる。

(3)幼児の運動発達を促す正しい系統的な訓練は、座る、立つ、歩くなどの完成を助け、同時に関係する神経中枢の構造的な変化(成熟)を速める。

なお、乳幼児の保育における鍛練方法にはさまざまなアプローチがある、一般には、皮膚の鍛練のために、空気浴・外気浴・日光浴・乾布まさつ・冷水まさつというように、乳児によく取り入れられている方法がある。

体全体の組織活動を促すためには、乳児体操がある。

そして幼児の保育においては運動遊びがその中心となるものである。

この時期の体や運動、そして精神的な機能を考慮して楽しい遊びの中できたえることがその基本である。

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てんかん

てんかんとはさまざまな原因による、反復性の発作を主症状とする疾患を総称したもので、原因が明らかなものを症候性てんかんというが、大部分は原因不明である。

原因としては、(1)母体側要因(年齢・感染症・栄養状態・遺伝など)、(2)周産期要因(未熟児・低酸素症など)、(3)新生児期要因(中枢神経系感染症・脳内出血など)、(4)乳幼児期要因(中枢神経系感染症・発熱・熱性けいれん・外傷・脳血管奇形など)が考えられている。

また、器質的変化によるてんかん発作にも、すでに脳に発作の原因となる病巣が過去に存在して固定したものと、代謝異常症や炎症あるいは腫瘍など進行性のものがある。

発作型は、全般てんかん(大発作・小発作・ミオクローヌス・点頭てんかん・レノックス症候群など)と部分てんかん(精神運動発作・良性小児てんかんなど)分けられる。

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伝染病の発生または流行には、感染源としてウイルスや細菌の存在、感染経路、感染者の体内での増殖すなわち感受性の3つの条件が必要である。

このうちどれが欠けても流行は成り立たない。

これをコッホの3原則という。

予防接種は感受性者対策として、あらかじめ人工的に当該疾患に対する免疫を獲得させることにより、病原体の感染に対して抵抗力をもたせることを目的としている。

したがって予防接種を受けた個体は、感染を受けても発症しないか、あるいは軽い症状を示すだけで治癒する。

このような感受性の低い個体、つまり抵抗力のある個体のしめる割合が高いほど、その集団・社会での伝染病の流行が低くなるといえる。

つまり高い接種率を保持すれば、流行に際して集団防衛ができる。

そのためにも、保護者・保育関係者に予防接種の意義を十分周知徹底することが、地域保健教育として大切である。

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予防接種

A 接種不適当者(接種してはならない者)
1.明らかな発熱を呈している者(37.5度以上の者)
2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
3.受ける予防接種液の成分によってアナフィラキシーを起こしたことが明らかな者
4.ポリオ・麻疹・風疹の予防接種では妊娠している者
5.その他予防接種を行うことが不適当な者

B 接種要注意者(接種の判断に際して注意のいる者)
1.心臓・血管、腎臓、肝臓血液、発育障害などの基礎疾患のあることが明 らかな者
2.前回の予防接種で2日以内に発熱の見られた者
または全身性発疹などのアレルギーを疑う症状の出た者
3.過去にけいれんの既往のある者
4.過去に免疫不全の診断がなされている者
5.接種しようとする液の成分にアレルギーを起こす恐れのある者

C 接種の対象とならない者
1.当該疾病にかかっている者またはかかったことのある者
2.当該予防接種に相当する予防接種をうけたことのある者

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学校保健領域で、児童生徒の健康状態の把握を日常の生活の中で教師によって行うものであり、これは保育の現場においても実施されている。

すなわち、保育中の乳幼児の心身の健康状態を、保育活動の中で実施するものである。

これは、とくに新しいことではなく、まったく日常の保育活動の一端であり、つねに実施されていることである。

健康観察は、保育現場では視診といわれているが、これはあくまでも、乳幼児の状態を観察することに主眼がお
かれ、診断を下したり、治療方針を決定するものではない。

観察によって判断した状態に基づいて、医学的な指示を医師から得るため資料とすることが目的である。

または、観察結果によって保育方針が決定されることも目的となる。

この点を十分に考えて、乳幼児の状態を観察し、評価しなければならない。

観察にあたっては、対象となっている乳幼児の平常の状態をしっかりと頭においておくことが必要で、観察結果が平常の状態とどのように異なるかを評価する。

さらに重要なことは、個人差があるということ、発達によって変化するということを熟知しておきたい。

主な観察事項は、(1)機嫌などの情緒、(2)元気さ、(3)泣き方、泣き声、(4)食欲(哺乳欲)、(5)睡眠、などの全身状態(一般状態)が重要で、これに加えて、疾病に特有の症状の有無の観察が必要である。

当然、顔色・顔つき、皮膚の色つや・発疹・外傷、眼(充血・眼脂・流涙)や耳(耳垢・耳漏)、口腔(歯や歯肉の状態も)、身体の各部の腫れ(耳下腺部・頚部のリンパ腺・鼠経部のヘルニァなど)、などは外部からも観察できる。

また、四肢の運動制限や運動障害・関節の腫れ、なども観察する。

これらの症状や状態がある場合、先の全身状態についても観察して、医師の指示を受ける。

その際、健康調査や定期保健診断の結果と関連づけることを忘れてはならない。

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小児保健

乳幼児期から学齢期・思春期を経て成人に達するまでを小児期という。

その健康の維持増進を図るためには、その養育にかかわる立場にあるものの責任は大きい。

小児は、その発達特性からみて、自らが自らの健康の維持増進を図ることができないので、養育にかかるものがそれを行う。

それに関する学問を小児保健学といい、その実践は小児保健といわれる。

小児の健康は、出生前の状態の影響を受けることはよく知られている。

それゆえ、母体の健康は、小児の健康と密接な関係があり、小児保健は母体の健康を扱う母性保健とは切り離して考えることはできず、この両領域を合わ'せて母子保健という。

さて、小児保健の領域では、新生児期を含む乳児期・幼児期はいうまでもなく、その後の学齢期・思春期における保健も対象となる。

とくに、学齢期以後は学校保健といい、小児保健では重要な領域である。

小児の健康は、その小児の条件に応じて、順調な発育発達がみられ、それぞれの発育発達段階として可能であるべき生活が支障なく送れること、その生活が基盤となって次の発達を促すことが望まれ、たんに、疾病異常が存在
していないというだけではない。

小児保健は、その健康が小児期のいずれの時期においても維持され増進されることを目的としているわけで、疾病予防・栄養・養育・精神面の管理・体力増進など多岐にわたる具体的内容をもつ。

それゆえ、小児保健は、医学を中心にした包括的な領域ということができる。

また、これにかかわる職種も、医師(小児科医)、歯科医師・保健婦・助産婦などの看護職・栄養士・心理関係者などと多い。

小児保健の実践は、これらの職種だけが行うのではなく、各々の小児を育てる母親や家族も育児の中で実践されるが、保育の現場においても、小児保健は重要な領域であり、保育担当者もその知識を十分に身につけなければならない。

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