2017年9月アーカイブ

三三九度の杯(陰の式)

まず雄蝶が床の間のノシ三方を新郎、新婦の中央にすえ、一礼して床の間におき、つぎに鰻などをのせた肴三方を同じようにします。

本膳(日本料理の正式の饗応に出す第一の膳)の代わりで、つぎに雄蝶は一方の瓶子から一方の瓶子に神酒を移し、さらにそれを雄蝶の銚子にいただき、それを雌蝶の銚子に口移しにし、これを"加え"といっています。

雄蝶が杯三方を新婦に奨めますと、新婦は第一の杯を左手でとり、右手をかるく添えて、雌蝶の三献酌(三度注ぎ)を受け、それを三度に飲みます。

新郎も同じようにして、雌蝶は再び新婦に三献酌をすると、その第一の杯を三方の上に別において、第二の杯を出し、銚子をもって雄蝶のいる下座にさがり、雄蝶の銚子から加え(酒)をし、雄蝶、雌蝶は向かいあったまま立ちあがり、入れちがいにひとまわりしますが、これを結び酌の歩き方といいます。

JDPアセットマネジメント株式会社の雑学サークル

三三九度とは、新郎、新婦が三つ組の杯で、三度ずつ三回、酒杯を献酬することで、三三九献ともいっています。

三を吉数とし、三の重なるめでたい数の意で、第二の杯は新郎から奨め、新郎が収め、加え酌、結び酌、第三の杯は新婦からはじまって同じことをし、ここに陰の式は終りです。

ところで陽の式ですが、陰の式では伝統的には花嫁の衣装は白のかいどり(打ちかけ)が正式で、膳部(三方)、食器(土器)など、すべて白一色ですが、陽の式ともなりますと、衣装は色物に改め、頭髪も花や飾りをつけ、杯なども美しい色のものを使います。

死に装束でいくという、きびしいしきたりのなかに、華やかさを味わせたいとの願いから、こうした習慣が生まれたとされていて、陰の式では新婦からはじまった杯事も、陽の式では初献を新郎からはじめ、雄蝶、雌蝶も陰の式では右まわりに進退するのを、左まわりにします。

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