乳幼児期から学齢期・思春期を経て成人に達するまでを小児期という。
その健康の維持増進を図るためには、その養育にかかわる立場にあるものの責任は大きい。
小児は、その発達特性からみて、自らが自らの健康の維持増進を図ることができないので、養育にかかるものがそれを行う。
それに関する学問を小児保健学といい、その実践は小児保健といわれる。
小児の健康は、出生前の状態の影響を受けることはよく知られている。
それゆえ、母体の健康は、小児の健康と密接な関係があり、小児保健は母体の健康を扱う母性保健とは切り離して考えることはできず、この両領域を合わ'せて母子保健という。
さて、小児保健の領域では、新生児期を含む乳児期・幼児期はいうまでもなく、その後の学齢期・思春期における保健も対象となる。
とくに、学齢期以後は学校保健といい、小児保健では重要な領域である。
小児の健康は、その小児の条件に応じて、順調な発育発達がみられ、それぞれの発育発達段階として可能であるべき生活が支障なく送れること、その生活が基盤となって次の発達を促すことが望まれ、たんに、疾病異常が存在
していないというだけではない。
小児保健は、その健康が小児期のいずれの時期においても維持され増進されることを目的としているわけで、疾病予防・栄養・養育・精神面の管理・体力増進など多岐にわたる具体的内容をもつ。
それゆえ、小児保健は、医学を中心にした包括的な領域ということができる。
また、これにかかわる職種も、医師(小児科医)、歯科医師・保健婦・助産婦などの看護職・栄養士・心理関係者などと多い。
小児保健の実践は、これらの職種だけが行うのではなく、各々の小児を育てる母親や家族も育児の中で実践されるが、保育の現場においても、小児保健は重要な領域であり、保育担当者もその知識を十分に身につけなければならない。
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