学校保健領域で、児童生徒の健康状態の把握を日常の生活の中で教師によって行うものであり、これは保育の現場においても実施されている。
すなわち、保育中の乳幼児の心身の健康状態を、保育活動の中で実施するものである。
これは、とくに新しいことではなく、まったく日常の保育活動の一端であり、つねに実施されていることである。
健康観察は、保育現場では視診といわれているが、これはあくまでも、乳幼児の状態を観察することに主眼がお
かれ、診断を下したり、治療方針を決定するものではない。
観察によって判断した状態に基づいて、医学的な指示を医師から得るため資料とすることが目的である。
または、観察結果によって保育方針が決定されることも目的となる。
この点を十分に考えて、乳幼児の状態を観察し、評価しなければならない。
観察にあたっては、対象となっている乳幼児の平常の状態をしっかりと頭においておくことが必要で、観察結果が平常の状態とどのように異なるかを評価する。
さらに重要なことは、個人差があるということ、発達によって変化するということを熟知しておきたい。
主な観察事項は、(1)機嫌などの情緒、(2)元気さ、(3)泣き方、泣き声、(4)食欲(哺乳欲)、(5)睡眠、などの全身状態(一般状態)が重要で、これに加えて、疾病に特有の症状の有無の観察が必要である。
当然、顔色・顔つき、皮膚の色つや・発疹・外傷、眼(充血・眼脂・流涙)や耳(耳垢・耳漏)、口腔(歯や歯肉の状態も)、身体の各部の腫れ(耳下腺部・頚部のリンパ腺・鼠経部のヘルニァなど)、などは外部からも観察できる。
また、四肢の運動制限や運動障害・関節の腫れ、なども観察する。
これらの症状や状態がある場合、先の全身状態についても観察して、医師の指示を受ける。
その際、健康調査や定期保健診断の結果と関連づけることを忘れてはならない。
JDPアセットマネジメント株式会社